書籍・雑誌

2007年11月 4日 (日)

町田康著『きれぎれ』

町田康著『きれぎれ』を読み終わりました。

どうしようもないダメダメ男の物語でした。

ただ想像(空想?)力だけはやたらと逞しい男・・・。

その想像力をポジティブな方向に働かせることが出来れば、同じ目に会っても全然違った人生を歩めるだろうに・・・。

と言いながら、私も悲観的な方向に想像が展開されてしまうことがたまにあります。

年齢を重ねるごとに、どんどん楽観的な考え方が出来るようにはなってますけどね。

この単行本には、もう1つ『人生の聖』というお話が掲載されてますが、こちらは何の話か良く解りませんでした。

町田ワールドを楽しめるよになるには、この1冊だけじゃあ足らないようです。

きれぎれ (文春文庫) Book きれぎれ (文春文庫)

著者:町田 康
販売元:文藝春秋
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2007年10月26日 (金)

森戸潔著『人間はどこから来たのか』

森戸潔著『人間はどこから来たのか』を読み終わりました。

この本は、サブタイトルが「地球環境と人間の歴史」と付けられていて、星のはじまり~地球のはじまり~生物のはじまり~人間のはじまりと、人間が登場するまでの歴史が解りやすく語られてます。

小学校高学年以上の人が対象ということですが、こう言った難しそうな話をざっと掴むには、子供向けのものが解りやすくてちょうどいいです。

読んでみると、ある種の生物の存在自体が地球環境を変え、変化した環境に応じて新種の生物が誕生すると言ったことが繰り返されて人間が登場するに至ったという事が良く解ります。

地球上に一番最初に誕生した生物が、2番目に誕生した生物に主役を取って代わられるところからして既にその物語は始まっていたようです。

そのことから考えると、人間も、存在自体が地球環境に影響を与え、いずれはその環境の変化が新たな種類の生物を生み出し、やがて人間は滅びることになります。

だとすると、地球温暖化対策など必死に頑張ったところで、いずれは主役を新種の生物に取って代わられると言うことになります。

そうなったら、その新生物が営む動物園には、他の動物たちと同様に、僅か生き残った我々の子孫も入れられて、見世物になるんでしょうか?

そして絶滅寸前の種として無理矢理交配させられたりするんでしょうか?

何もしないまま、そんなことになってはシャクなので、精一杯抗いたいですね。

「例え虚しい努力だとしても、前のめりに滅びたい!」

ってところでしょうか。

でも、もしかしたら、今まで地球上に登場した生物の中では格段に往生際の悪い人間様のことなので、温暖化なども乗り切って、宇宙が滅びるまで主役の座を守り続けるかもしれませんね。

人間はどこから来たのか―地球環境と人間の歴史 Book 人間はどこから来たのか―地球環境と人間の歴史

著者:森戸 潔
販売元:リサイクル文化社
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2007年4月27日 (金)

司馬遼太郎著『国盗り物語』

司馬遼太郎著『国盗り物語(一)~(四)』を読み終わりました。

戦国武将、斎藤道三および、道三の影響を多分に受けた織田信長明智光秀の物語でした。

司馬作品は、昔から若い男性に人気がありますが、それもそのはずです。

描かれる主人公はみんな、好き勝手なことばかりしてるくせに女性にもてます。

今年に入って、3作読みましたが、『十一番目の志士』の天堂晋助しかり、『風神の門』の霧隠才蔵しかり、そして『国盗り物語』の斎藤道三しかりです。

ただ、織田信長と明智光秀に関しては、少し様子が違いました。

信長は、好き勝手な事をやって妾もたくさん囲いますが、権力で強引に奪い取る感じなので、もてると言うのとは違いますね。

光秀に至っては、思うままにならない人生の上、生涯で関わった女性は妻のお槙一人と言う事です。

この作品の登場人物3人の中では、やはり道三に一番惹かれました。

Book 国盗り物語〈1〉斎藤道三〈前編〉

著者:司馬 遼太郎
販売元:新潮社
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2007年4月13日 (金)

奥田英朗著『町長選挙』

奥田英朗著『町長選挙』を読み終わりました。

4人の悩める患者たちが、デブでおバカな精神科医、伊良部先生に関わることで、無事に病気(悩み)が解決されて行くという4つの短編集です。

第一話「オーナー」では、ナベツネさんをモチーフにした主人公が、死への恐怖に悩みます。

第二話「アンポンマン」では、ホリエモンをモチーフにした主人公が、ひらがなを思い出せない病に罹ってしまいます。

第三話「カリスマ稼業」では、黒木瞳さんをモチーフにした主人公が、若作り強迫観念症に襲われてしまいます。

第四話「町長選挙」では、特にモチーフとなる有名人は思い浮かびませんが、良平君という公務員が、小笠原諸島の町長選挙で、2人の立候補者の狭間に立って悩まされます。

以前読んだ『イン・ザ・プール』同様、面白かったです。

あと、伊良部先生が登場する本著者の作品としては、直木賞作品となった『空中ブランコ』があるので、そのうち読んでみたいと思います。

(関連記事): 〓さざまるの雑記〓: 奥田英朗著『イン・ザ・プール』.

町長選挙 Book 町長選挙

著者:奥田 英朗
販売元:文藝春秋
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2007年4月 2日 (月)

佐藤達夫監修『人体の不思議 第4巻 めぐる、守る 循環器・血液・免疫系』

佐藤達夫監修『人体の不思議 第4巻 めぐる、守る 循環器・血液・免疫系』を読み終わりました。

昨年末に安藤幸夫監修『図解雑学 人体の不思議』を読んで人体の神秘に興味を持ったので、更に詳しい佐藤達夫監修『人体の不思議 第1巻 支える、動く 骨・筋肉系』と、『人体の不思議 第2巻 コントロールする 神経系・感覚器』と、今回の『人体の不思議 第4巻 めぐる、守る 循環器・血液・免疫系』を読み進めて来ました。

けっきょく、一番面白かったのは、最初に読んだ安藤幸夫監修『図解雑学 人体の不思議』でした。

(関連記事): 〓さざまるの雑記〓: 安藤幸夫監修『図解雑学 人体の不思議』.

(関連記事): 〓さざまるの雑記〓: 佐藤達夫監修『人体の不思議 第1巻 支える、動く 骨・筋肉系』.

(関連記事): 〓さざまるの雑記〓: 佐藤達夫監修『人体の不思議 第2巻 コントロールする 神経系・感覚器』.

人体の不思議〈第4巻〉めぐる、守る―循環器・血液・免疫系 Book 人体の不思議〈第4巻〉めぐる、守る―循環器・血液・免疫系

著者:佐藤 達夫
販売元:メディイシュ
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2007年3月19日 (月)

吉田修一著『日曜日たち』

吉田修一著『日曜日たち』を読み終わりました。

都会で暮らす5人の若者たちの、ありふれた日曜日の物語でした。

5人とも、なんかとても疲れてる感じがしました。

5つの短編集ですが、全編にわたって、母親を捜すために上京してきた小学生の兄弟が登場し、短編同士を微妙につないでます。

日曜日たち Book 日曜日たち

著者:吉田 修一
販売元:講談社
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2007年3月11日 (日)

藤原てい著『絆(きずな)』

藤原てい著『絆(きずな)』を読み終わりました。

「国家の品格」の著者、藤原正彦さんのお母さん、藤原ていさんの自伝です。

ていさんは、終戦直後、3人の子供を連れて満州から命からがら逃げ帰って来たという経験の持ち主で、そのときのことを綴った本「流れる星は生きている」が空前の大ベストセラーになったそうです。

本来、作家の作品を読まずして自叙伝を読むのは、本末転倒な気がして本意ではないんですが、この本が図書館で目に留まり、なんとなく手にしました。

全編に、どんよりと雲がかかったイメージの自叙伝でした。

ていさんの代表作である「流れる星は生きている」も読んでみようと思いました。

関連記事: 〓さざまるの雑記〓: 藤原正彦著『国家の品格』.

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2007年3月 2日 (金)

司馬遼太郎著『風神の門(上・下)』

司馬遼太郎著『風神の門(上・下)』を読み終わりました。

真田十勇士の中で、甲賀の猿飛佐助とともに双璧と称される、伊賀忍者「霧隠才蔵」について書かれた歴史小説です。

集団での忍術を得意とする甲賀忍者に対して、伊賀のそれはあくまでも個人プレーを基本としてます。

そんな伊賀者の宿命を背負った男一匹・霧隠才蔵からは、大人の男の哀愁のようなものが感じられます。

虎戦士で例えると、佐助が野手のまとめ役のアニキ金本だとすると、才蔵はマウンドで黙々と自分の技を披露する投手、とりわけ下柳投手と言ったところでしょうか。

読みながら思い出しましたが、実はこの小説、20年以上も前に1度読んだことがありました。

子供の頃にNHKの人形劇で「真田十勇士」ってのをやってたんですが、そこに出てくる才蔵の渋い雰囲気に興味を惹かれました。

そのことを学生になってから思い出して読んだんでした。

今回、再び読んでみると、内容を全く忘れていたので、初めて読むのと同じように楽しむことができました。

Book 風神の門 (上)

著者:司馬 遼太郎
販売元:新潮社
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Book 風神の門 (下)

著者:司馬 遼太郎
販売元:新潮社
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2007年2月26日 (月)

雲井瑠璃著『瀬戸内を泳ぐ魚のように(上・下)』

雲井瑠璃著『瀬戸内を泳ぐ魚のように(上・下)』を読み終わりました。

日露戦争から太平洋戦争が終わる頃までの時代を生きた、一人の日本人女性とその家族の生き様が描かれてます。

主人公の晴子さんは、著者の母親がモデルになっているそうです。

この時代の様子を女性の視点から描いた小説にはあまり触れたことが無かったので、新鮮でした。

それはまだ「家制度」というものが色濃く残っていた時代から、敗戦により、一気に個人主義、自由主義思想に塗り替えられた時代でもありました。

上巻では、晴子が生を受けた三輪家(父方)と白井家(母方)の人々が、それぞれの「家」を守るために当たり前のように自己を犠牲にする姿が健気に描かれてます。

そこに息づく人々の、家族・親族への純粋なまでの思いやりに浸りながら、ほのぼのと幸せな気持ちになりました。

この本を読んだ後で暗いニュースを耳にすると、「家」制度の崩壊とともに家族や近隣との絆も崩壊してしまったんだなぁ、と感じざるを得ません。

だからと言って、昔の方が良かったと懐古主義に浸るつもりもありません。

結婚の自由や、職業選択の自由が男女問わず拡がった点は、いいことに違いありません。

昔と今のいいとこ取りができれば一番いいはずです。

個人の自由を追求しながら昔のような家族の絆を保つには、昔以上に家族への思いやりを強く持ち、それを形に表す必要があるのかもしれません。

さてと、久し振りに実家に電話してみるとしますか。

瀬戸内を泳ぐ魚のように〈上〉 Book 瀬戸内を泳ぐ魚のように〈上〉

著者:雲井 瑠璃
販売元:草思社
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瀬戸内を泳ぐ魚のように〈下〉 Book 瀬戸内を泳ぐ魚のように〈下〉

著者:雲井 瑠璃
販売元:草思社
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2007年2月17日 (土)

アニリール・セルカン著『タイムマシン』

アニリール・セルカン著『タイムマシン』を読み終わりました。

スイスのインターナショナルスクールを退学になった13人の子供たちが、タイムマシンを作ろうとして集まり、その情熱が大人たちも動かし、とうとう作り上げてしまったという実話をもとにした物語です。

作り上げたタイムマシンが成功したかどうかは、ここでは言わないでおきます。

この本を読んで、中学のときに友達3人と気球を作ろうとして、夏休みの間に4~5回も徹夜したことを思い出しました。

タイムマシンに比べたら、なんともスケールの小さな話ですが、試行錯誤しながら夢中になったものです。

「これが完成したら恰好ええど!」

という思いだけに支えられながら・・・。

結果は、  orz.....

我々4人の頭では、上手く行くはずもありませんでした。

2学期になり、理科の先生にその話をしたら、先生は、

「何でワシに相談してくれんかったんか!」

と、とても悔しがっておられました。

本気で完成させるためなら、先生の知恵も借りれば良かったと後悔しました。

タイムマシン Book タイムマシン

著者:アニリール・セルカン
販売元:日経BP社
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2007年2月 9日 (金)

佐藤達夫監修『人体の不思議 第2巻 コントロールする 神経系・感覚器』

佐藤達夫監修『人体の不思議 第2巻 コントロールする 神経系・感覚器』を読み終わりました。

先日の第1巻.に続くシリーズものです。

私の病気は、大脳基底核という部位が異常をきたしていると言われてます。

しかし、この本には、そのしくみどころか、「大脳基底核」という名前すら出てきませんでした。

う~ん、残念!

ただ、耳や目の構造は、面白かったです。

目ん玉に、6種類もの筋肉がひっついてるんですね。

人体の不思議〈第2巻〉コントロールする神経系・感覚器 Book 人体の不思議〈第2巻〉コントロールする神経系・感覚器

著者:佐藤 達夫
販売元:メディイシュ
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2007年2月 5日 (月)

司馬遼太郎著『十一番目の志士(上・下)』

司馬遼太郎著『十一番目の志士(上・下)』を読み終わりました。

20代の頃は、けっこう司馬さんの本を読んでたんですが、暫く避けてました。

「太平洋戦争だけは、日本史の連続性の中においてどうしても語れない。 先の大戦だけは書けない。」という司馬さんの言葉を何かの本で目にしてから、太平洋戦争から逃げてる気がしたので・・・。

で、「小説太平洋戦争」という作品を通じて、先の大戦としっかりと向き合っておられる山岡壮八作品を読むようになりました。

最近、司馬作品がどんなだったか忘れていることに気づき、再び読んでみたくなり、先日の「空海の風景」に続いて今回本作品を読みました。

読み始めて、すぐに昔読んだ記憶が蘇えってきました。

確か、この作品は、主人公の天堂晋助を歴史上の実在の人物と思い込んで最後まで読んでしまい、見事に作者に騙されたものでした。

読み終えて、やはり司馬作品は面白い!

ということに改めて気づきました。

人間心理の奥底をじっくりと想像する能力に長けている山岡作品もいいですし、歴史上の人物像を気持ちいいくらいスパッと決め付け、物語を前向きに軽快なテンポで展開させて行く司馬作品もいいです。

これからも、昔のように素直に、司馬作品に触れてみようと思いました。

Book 十一番目の志士 (上)

著者:司馬 遼太郎
販売元:文芸春秋
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Book 十一番目の志士 (下)

著者:司馬 遼太郎
販売元:文芸春秋
Amazon.co.jpで詳細を確認する

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2007年1月26日 (金)

佐藤達夫監修『人体の不思議 第1巻 支える、動く 骨・筋肉系』

佐藤達夫監修『人体の不思議 第1巻 支える、動く 骨・筋肉系』を読み終わりました。

年末に読んだ『図解雑学 人体の不思議』が面白かったので、今回は更に筋肉と骨の構造が詳しく載ってそうな本書に目を通しました。

最初は人体標本の写真が気持ち悪かったんですが、すぐに慣れました。

詳しすぎて、ページをめくるはしから、前のページの内容を忘れてしまいましたが、予想以上に複雑かつ合理的な人体の構造に驚きました。

一応、今の病気と関係してそうな「第2巻 神経系・感覚器系」と「第4巻 循環器・血液・免疫系」ってのにも目を通しておくとしましょう。

図書館にあるから、タダやし。

リンク: 〓さざまるの雑記〓: 安藤幸夫監修『図解雑学 人体の不思議』.

人体の不思議〈第1巻〉支える、動く 骨・筋肉系 Book 人体の不思議〈第1巻〉支える、動く 骨・筋肉系

著者:佐藤 達夫
販売元:メディシュ
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2007年1月19日 (金)

児玉光雄著『トップアスリート「成功思考」』

児玉光雄著『トップアスリート「成功思考」』を読み終わりました。

世界の名だたるトップアスリートたちの、75個の語録を集めた本です。

それぞれの語録に、著者の解説がついてます。

中でも、私の心に残った2人のことばを挙げておきます。

●女子プロゴルファーのアニカ・ソレンスタム選手のことば

「ゴルフは技術と運のゲームです。 

 どんなにいいプレーをしても、もっといいプレーをする人がいるかもしれません。 

 どんなにいいスイングをしても最悪のライに転がり込むかもしれない。 

 ゴルフでも人生でも、自分のコントロールできないことに腹を立ててもしかたありません。 

 自分の力で変えられることに労力を使うべきでしょう。」

●阪神タイガースの金本知憲選手のことば

「ゴルフで負けてもちっとも悔しくない。 

 だけど野球だけは悔しい。 

 人それぞれの価値観があるだろうし、オレの場合は野球なんだよ。

 それを職業としてできていて、ファンも喜んでくれる。 

 だからもっと頑張らんといかんと思う。」

さすがアニキ、ええことゆうのぉ。

ちなみに、昨年の4月に連続フルイニング出場の世界新記録を達成したときのアニキ語録は、以下になります。

リンク: 〓さざまるの雑記〓: アニキ語録!.

トップアスリート 成功思考 Book トップアスリート 成功思考

著者:児玉 光雄
販売元:日刊スホ゜ーツ出版社
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2007年1月12日 (金)

アレックス・シアラー著『世界でたったひとりの子』

アレックス・シアラー著『世界でたったひとりの子』を金原瑞人さんの訳で読み終わりました。

図書館でタイトルを見て、SMAPの「世界に一つだけの花」のようなことをテーマに書かれた小説かと思って借りました。

 小さい花や 大きな花 一つとして同じものはないから
 No.1にならなくても いい もともと特別な Only one

って感じの・・・。

ところが、とんでもごじゃりませんでした。

世の中からどんどん子供が減って行き、少なくとも自分の周りには本当に子供が自分一人だけという境遇に置かれた、タリンという名の男の子の、恐ろしく、哀しく、せつない物語でした。

医療技術の進歩により老化防止薬なるものが発明され、人類が200歳以上生きれるようになった代わりに、めったに子供ができなくなってしまった未来のお話です。

老化防止薬は、だいたい40歳になっときに政府から支給されて飲みます。

よって、中身(心)や経験は100歳でも200歳でも、見かけ上は40歳が最高齢者です。

そして、「生きるのは飽きたが、死ぬのは怖い」という状態に陥ります。

また、子供のときにPPというものを移植すれば、一生子供の身体のままでいられる移植手術も可能です。

見た目は子供のままですが、中身(心)や人生経験は50歳だったり、60歳だったりと、れっきとした大人です。

一応、これは違法な医療行為となってますが、闇医者たちの手にかかって手術を施されてしまえばどうしようもなくて、PP経験者はどんどん増え続けます。

大人たちは自分に子供ができないことを悲しみ、一時間だけでもいいから子供のいる家庭の真似事をしたいと願い、子供のレンタルが流行ります。

子供をレンタルした大人たちは、せっかくお金を払って貴重な1時間を過ごすのだから、自分が理想とする子供らしい子供であって欲しいと借りた子供に望みます。

そんな大人の気持ちを敏感に察知した子供は、大人が理想とする子供らしい子供を演じ続けます。

1日5件もそんな仕事が入ってると、さすがに子供も疲れ果てます。

主人公のタリンは、大人の期待に応えることに懸命で、自分が何ものなのか解らなくなり、そのことをいつも自問自答しています。

また、運良く子宝に恵まれた大人は、自分の子供にPPを受けさせたがります。

今や超貴重品となった子供を持ってると、子供レンタル業や子供ショーなどで稼げるので、その子供を含めた一家全員が一生安泰だからです。

当然、子供を売れば破格値です。

この小説のテーマとしては、少子化問題、終末医療の問題、児童虐待、子供の人権問題などが感じ取れますが、読みながら、全編を通して伝わってくる哀しさ、せつなさ、むなしさは、そんなことではありません。

大人たちのエゴに翻弄されている主人公タリンの純粋な気持ちに起因しているのだと思います。

子供には自分の理想とする子供でいて欲しいと願う親のエゴ。

自分で稼げるようになるまで親に育ててもらったくせに、いつまでも家庭を持ちたがらないという独身貴族のエゴ。

そして、いつまでも死にたくないというエゴ。

このような大人たちのエゴの犠牲になるのは、いつも弱くて純真な子供たちです。

私自身、子供時代に大人のエゴから感じたせつなさと、次の世代のことなどろくに考えず、大人になってからも好き勝手やってきた申し訳なさのようなものとの両方の気持ちがあり、余計に心が痛んだのかもしれません。

最後はちょっと唐突で強引な終わり方のようにも思えましたが、その部分を除けば、とにかく、何とも哀しいお話でした。

世界でたったひとりの子 Book 世界でたったひとりの子

著者:アレックス シアラー
販売元:竹書房
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2006年12月28日 (木)

安藤幸夫監修『図解雑学 人体の不思議』

安藤幸夫監修『図解雑学 人体の不思議』を読み終わりました。

読んでみて、自分の身体のことなのに、あまりにも知らないことが多いのに驚きました。

我々の身体って、超ミクロのパーツが、驚くべきほどたくさん集まってできてるんですね。

そして、それぞれに役割(意味)があり、関連し合って機能しています。

これが自然による偶然の産物だとしたら、あまりにも出来すぎてます。

私は、キリスト教信者ではないので、「神が創りたもうた」というような考え方は今のところ素直に受け入れ難いですが、神かどうかは別にしても、もしかしたら、めちゃくちゃ頭のいい誰かが、暇に任せて面白半分に作ったのではないかという気にさえさせられました。

だとしたら、その誰かさんのIQは、相当高いはずです。

だって、これだけ科学技術が発達した現代においても、未だに人類は、人間と全く同じロボットを作れないのですから・・・。

特に、脳の機能、生殖能力、自然治癒力、再生能力などに関して、同じ仕組みを再現することは難しいのではないでしょうか。

また、これだけ精密に出来ている訳ですから、壊れやすく、だからこそ大切に扱わなければならなかった訳ですね。

反省中です。

この本はQA形式になっていて、それぞれの問いに対する答えが、オールカラーの図解入りで解説されているので、超基本的な仕組みを知る上ではとても解りやすかったです。

解りやすい例で言うと、「空気と食べ物の通り道が切り替わる仕組み」などは、空気が通るときの図と、食べ物が通るときの図が比較しやすいように並べて書かれてたりしてます。

ふむふむ、食べるときは、喉頭蓋ってやつが軌道に蓋をしてくれてるのね。

ってな具合です。

この仕組み1つ取ってみても、意識しないでも勝手に身体がやってくれてるんですよね。

ありがたいというか、不思議です。

そして、そういう機能が勝手に働かなくなれば、それは何らかの病気ということですね。

とはいえ、全部理解できた訳でありません。

特に、免疫の仕組みに関しては、キラーT細胞やらヘルパーT細胞やら出てきて、難しかったです。

人間が人間を創れるなどとという世の中、想像するとゾッとしますが、人体の仕組みの全容が解明されない限り、難病が無くならないのも事実です。

ただ、世の中から全ての病いや障害が無くせるとしたら、それはまたとてつもなく素晴らしい世界だとも思います。

そうなると、誰も健康に気をつけなくなって、身体のありがたみも感じなくなるのかもしれませんが・・・。

いずれにしろ、そこまで到達した後の世界をどんな世の中にするかは我々人間次第です。

まずは、医療技術の更なる進歩に期待しましょう!

人体の不思議 Book 人体の不思議

著者:安藤 幸夫
販売元:ナツメ社
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2006年12月22日 (金)

新堂冬樹著『無間地獄』

新堂冬樹著『無間地獄』を読み終わりました。

闇金の裏でうごめくやくざの若頭、桐生を主人公とした物語です。

無間地獄とは、辞書によると、「阿鼻地獄のこと。 八大地獄の第八。 五逆と謗法(ほうぼう)の大悪を犯した者が落ちる所。 諸地獄を一としてその一千倍の責め苦を受けるという。」

だそうです。

一切の情も存在しない、金と暴力だけの世界!

仲間をいかに出し抜くかが上にのし上がるための唯一の方法!

一度はまり込むと二度と抜け出せない無間地獄!

そして最後は恐怖におののきながらの死あるのみ!

この小説に出てくる人物たち全員が、金と暴力以外のものを信じないことに徹底されてることが、読者にとっては却って救いです。

こちらも、登場人物に情などかけないで読めるので・・・。

くわばら、くわばら。 

生活費に困っても、街金どころか、サラ金にも手を出さないように気をつけなきゃ。

それにしても、暴力描写と、男同士の性描写にはエグいものがありました。

この小説が例え映画化されても、あまり観たいとは思いません。

あと、ストーリーと全く関係ないところですが、主人公の桐生がビリー・ホリディを好んで聴いてるという話が出てたので、久し振りに彼女のベストCDを引っ張りだして聴いてみました。

彼女の歌声にはブランデーが良く合います♪

無間地獄 上  幻冬舎文庫 し 13-1 Book 無間地獄 上 幻冬舎文庫 し 13-1

著者:新堂 冬樹
販売元:幻冬舎
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無間地獄 下  幻冬舎文庫 し 13-2 Book 無間地獄 下 幻冬舎文庫 し 13-2

著者:新堂 冬樹
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2006年12月18日 (月)

中島みゆき著『問う女』

中島みゆき著『問う女』を読み終わりました。

シンガーソングライターとして、素敵な詩を数多く生み出して来られた中島みゆきさんの小説です。

主人公の綾瀬まりあは、父の仕事の影響で幼い頃から転校を繰り返し、その度に方言をからかわれ、親友を作ることを自ら避けて来ました。

高校のときに新潟で出会ったクラスメイトと仲良くなりかけますが、彼女もまりあの「言葉」によって傷つけてしまいます。

人を傷つけ、傷つけられる「言葉」。

自分の言葉を持つことを捨てたまりあは、ラジオ局のアナウンサーになります。

アナウンサーは、演出家の書いたとおりの「言葉」を喋っていればいいので、その「言葉」に責任を持つ必要がなく、楽なんだそうです。

そんなまりあが、あるタイ人の娼婦と出会ってからストーリーが一気に展開して行きます。

この小説を読み終わって、私が感じ取った意味以上に深い意味があるような気がするんですが、残念ながらそれが何だかわかりませんでした。

考え過ぎかなぁ。

中島みゆきさんの曲の中にも、実は彼女が伝えたいことが理解できていない詩が幾つもあります。

そもそも女心は解りにくいので、それも仕方ないやな。

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2006年12月13日 (水)

横山秀夫著『ルパンの消息』

横山秀夫著『ルパンの消息』を読み終わりました。

横山作品は、警察、弁護士、検事、裁判官、新聞記者などを題材にしたものが多いんですが、この作品は、事件の舞台が高校なので、身近に感じられて読み易かったです。

この作品の中に、

「人間のする事、考える事、そう違うものではない。 所々に頭をもたげた情報を読むのではなく、人間そのものを読むんだ!」

と、刑事が部下たちに言う場面がありますが、最近の犯罪は、今ままでの常識だけで考えると、非常に動機が読みにくいものが増えている気がします。

人間の心の奥底を想像する能力に長けている著者に、昨今の犯罪者の心理を解説して欲しいと思いました。

また、横山作品は、悲惨な殺人事件などを扱った場合でも、必ず最後に、

「それでもこの世は悪いことばかりって訳でもないぜ!」

と思わせるような、エピソードで終わるところが、けっこう好きだったりします。

最近は、一見、どこにも救いを見出せないような事件ばかり報道されてますが、

それでもこの世は悪いことばかりって訳でもないぜ!

ルパンの消息 Book ルパンの消息

著者:横山 秀夫
販売元:光文社
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2006年12月 8日 (金)

水谷修著『あした笑顔になあれ』

水谷修著『あした笑顔になあれ』を読み終わりました。

夜回り先生が、夜眠れない子供たちや、リストカットを続ける子供たちと向き合って得た子育て論を、主に大人たちに向けて書いた本です。

いろいろと興味を惹かれるお話があったんですが、その中に、

「人間は実体験を通じて人と触れ合っていかないと、こころが成長していかない。」

と言った記述がありました。 

この説が正しいとすると、常日頃私が感じている「今の大人(30~40代)は、私が中高生の頃(約25年前)の大人に比べて幼い気がする。」という感覚も頷けます。

なぜなら、まず、我々世代は親の世代に比べて、圧倒的に兄弟の数が少ない。

また、核家族化が進み、祖父母との関わりが希薄。

さらには、近所づきあいが減って、地域の中の怖いおじさんや、優しいおばさんとの関わりが少ない。

といったことは間違いないでしょうから。

我々世代ですら既にそうなのですから、少子化が進んだ今の子供たちは更に深刻です。

私の経験から考えても、兄弟や従兄弟や友達と遊び、ケンカする中で、喜び、悲しみ、悔しさ、歯がゆさ、嫉妬など、人間として大切な様々な感情と出会い、いやおう無しにそれらをコントロールする術を身に付けていったように思います。

多種多様な人々と関わることで心は鍛えられ、ときに疲れたときには、祖父母や親戚や近所の大人たちの優しさに触れ、大自然や音楽に癒されたりしながら再び人間社会に揉まれる事の繰り返しで、成長して来た気がします。

水谷先生は、さらに次のようにおっしゃてます。

「子供たちの様子を知ることは案外簡単です。まずは子供の目を見つめてください。瞳は輝いてますか。力強い視線で見つめ変えしてくれますか。」

社会問題化している子供たちの心の闇を照らすために、社会人としてこれぐらいのことはできそうに思いました。

しかし、目を見つめるべき子供たちが周りにいません。

せいぜい、田舎に帰ったときに、甥っ子、姪っ子の目でも見てやるとしますか。

でも、果たして、帰省できるくらいに身体が回復するまでの間、彼らが子供のままでいてくれるでしょうか。。。

最後に、もう一つ共感できた言葉を引用させて頂きます。

教育というのは、本来、根のないところや種がないところで、無理やり伸ばそうとすることではありません。 その子が自ら自分の可能性はどこにあるのか、自分の明日への種はどこにあるのか、それに気づくまで待つことです。」

あした笑顔になあれ 夜回り先生の子育て論 Book あした笑顔になあれ 夜回り先生の子育て論

著者:水谷 修
販売元:日本評論社
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2006年12月 4日 (月)

伊集院静著『駅までの道をおしえて』

伊集院静著『駅までの道をおしえて』を読み終わりました。

それぞれの物語に、野球が微妙に関わっている9つの短編集です。

まったりと楽しませて頂きました。

ちなみに私は、一番最後の「チョウさんのカーネーション」を一番気に入りました。

駅までの道をおしえて Book 駅までの道をおしえて

著者:伊集院 静
販売元:講談社
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2006年11月30日 (木)

川上弘美著『パレード』

川上弘美著『パレード』を読み終わりました。

図書館で、何気なく手にした本です。

子供向け絵本のような感じで書かれてますが、大人向けなのではないかと思いました。

ツキコさんと言う名の主人公が、小学三年生の頃の思い出を、センセイと呼ばれてる人に話すのですが、その思い出話の中に、ゆう子ちゃんという子が出てきます。

ゆう子ちゃんは、クラスの女子からハバ(のけ者)にされてしまいます。

ツキコさんも、無意識のうちにゆう子ちゃんを避けている自分に気づきますが、どう対応してよいかわからず、幼心を痛めるというようなお話です。

私の少年期を思い出してみても、どうも昔から女の子の集団は、そういうことをする場合があるようです。

しかも、女子の場合はそれが周りからは解りにくいような気がします。

男子の場合には、シカトという形のイジメは記憶にありません。

あくまでも30年近く昔の、しかも私の体験上というごく限られた範囲内では、ということですが・・・。

最近の子供たちのことは、残念ながらわかりません。

けっきょく、読み終えても、センセイとツキコさんの関係は良く解らなかったんですが、あとがきを読んで解りました。

どうやらこの本は、同著者の『センセイの鞄』という本の番外編として書かれたようです。

そちらを読んでみないと、2人の関係は見えてこないようです。

『センセイの鞄』も機会があったら読んでみようと思いました。

パレード Book パレード

著者:川上 弘美
販売元:平凡社
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センセイの鞄 Book センセイの鞄

著者:川上 弘美
販売元:文藝春秋
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2006年11月28日 (火)

ニコラス・スパークス著『メッセージ・イン・ア・ボトル』

ニコラス・スパークス著『メッセージ・イン・ア・ボトル』を大野晶子さんの訳で読み終わりました。

一度結婚を経験している男女のラブストーリーです。

女性(テレサ)の方は、旦那の不倫が原因で離婚し、12歳の男の子がいます。

男性(ギャレット)の方は、奥さん(キャサリン)を交通事故で亡くし、子供は居ません。

ギャレットは、キャサリンが死んだ後も彼女のことを忘れることができず、愛しのキャサリン向けに書いた手紙を瓶に入れて海に流しました。

その瓶をテレサが拾って手紙の内容に感動し、こんな手紙を書く男性に一度会ってみたいと、ギャレットの元を訪ねるところからラブストーリーに発展して行きます。

ギャレットもすぐにテレサに惹かれるんですが、キャサリンのことも忘れられずに、罪の意識に苛まれながらテレサとの関係を続けて行きます。

テレサは、そういうギャレットの気持ちをわかっているつもりなのに、ギャレットの思い出の中のキャサリンに嫉妬してしまいます。

そんな男女の心の葛藤が巧みに描かれてます。

私は、恋愛小説を好んで読む方では無いんですが、タイトルにロマンチックな匂いを感じたのと、THE POLICEの同名タイトルの曲が好きなので読んでみました。

案外面白かったです。

ちなみに、この小説は、ギャレット役にケヴィン・コスナーを配して、映画にもなっているようです。

Book メッセージ・イン・ア・ボトル

著者:ニコラス スパークス
販売元:ソニーマガジンズ
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2006年11月24日 (金)

アリ・ジャン著『母さん、ぼくは生きてます』

アリ・ジャン著『母さん、ぼくは生きてます』を読み終わりました。

戦乱のアフガニスタンから、命がけで日本にたどり着いた著者の体験談です。

男子が戦乱から家族を守る方法としては、武器を持って敵と対峙する方法と、一旦亡命して命を繋ぎながら勉強し、戦乱が落ち着いてから帰国して家族を助けるという方法がありますが、ジャン家では、上の兄2人が前者の道を歩み、アリさんは後者の道を選択したようです。

家族を置いての亡命は、どんなに辛かったことでしょう。

断腸の思いだったと思います。

この本に出会うまで、難民問題という言葉を聞いたことがあるだけで、難民だからといって、闇雲に受け入れるわけにも行かないし、何らかの基準を設けて、または国際基準に従って、その範囲内で受け入れるしか仕方ないよなぁ。

と漠然と思っているだけでした。

読み終えた後も、基本的にその考えは変わりませんが、この本を読んだ限りだと、アリ・ジャンさんのケースは難民と認定してもいいんじゃないかと思いました。

入国管理局サイドの言い分が書いてないので、なんとも言えませんが・・・。

なぜ認められないのでしょうか?

と思って、 Alijane アリ・ジャンさんの応援HPを除いてみたら、

「国側は2001年にアリジャンを難民と認定しなかったことは間違っていたと認めました!」

と書いてありました。

良かったですね。

でも、けっきょく何故間違ったのかが検証されてないと、国側というやつは、また同じ間違いを仕出かしそうです。

さらに、「難民と認定するか、在留特別許可を認めるか改めて調査する」

とも書かれてました。

間違いを認めたのなら、とっとと難民と認めればいいのに、何を調査するんでしょうか?

良く解りませんが、それでも支援者の方々の努力のお陰で、この本が書かれた頃よりは前進したようです。

アリ・ジャンさんの、医者になって祖国のために尽くしたいという夢がかなうことと、祖国に残られているご家族がご無事でおられることを祈るばかりです。

収容されてる外国人から「牢屋」と呼ばれている「東日本入国管理センター」で過ごされた7ヶ月間の体験を読んで、自由と希望を失った人間の悲惨さがひしひしと伝わって来ました。

自分の国のやってることなのに知らないことってけっこうあるんだな。

ということを改めて知らされました。

日本は、他の先進諸国と比べて、難民の受け入れ数が極端に少ないと聞いたことがあります。

このままだと、いざ日本沈没でも起きた日には、誰も我々を受け入れてくれないでしょう。

ただ、アメリカやオーストラリアなどは、そもそも、「飢饉や政治の混乱から祖国に居られなくなった難民たちが先住民族を侵略して作った国」と言えなくも無いなので、一概に比較できませんが・・・。

母さん、ぼくは生きてます Book 母さん、ぼくは生きてます

著者:アリー・ジャン
販売元:マガジンハウス
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2006年11月21日 (火)

石田衣良著『40-翼ふたたび-』

石田衣良著『40-翼ふたたび-』を読み終わりました。

人生の半分が終わり、折り返し地点を迎えた40歳の男たちの物語です。

40歳にして大手広告代理店をやめ、フリーのプロデューサーになった吉松喜一を主人公として、7つの短編物語が展開されて行きます。

各短編には、様々な立場の40歳が登場します。

7つの短編の中では、1円企業を立ち上げて社長になった40歳のおたくが描かれた「われら、地球防衛軍」が面白かったです。

全体的に、私と同世代の人物達が描かれているため、共感できる部分が多く、なかなか楽しめました。

現実に、私の同世代の友人・知人たちも、人生の折り返し地点40歳を目前にした30代後半あたりから、様々な人生の転換点を迎え始めました。

離婚した者、 癌で亡くなった者、 白血病と闘い始めた者、 鬱病と闘い始めた者、 転職した者、 交通事故で亡くなった者、 自殺した者、 独身貴族を気取りながらどこかつまらなそうな者、 そして2年間の寝たきりから立ち直ろうともがいてる私・・・etc.

列挙してみると、どうにもいい方向に転換してる者は少ないように思いますが、亡くなってしまった者を別にすると、皆決して腐らず前向きに、それぞれが直面している現実と向き合っていることが救いです。

自分では成長していないように思えても、40年という人生を生き抜くうちに、案外降りかかった難局を乗り切るだけの経験と知恵がついて来ているのかもしれません。

男の厄年が数えの42歳に設定(?)されているのは、この難局をどう乗り切って人生後半に向かうかが試される時期だからなんでしょうか。

果たして、皆どんな50歳を迎えることになるでしょう。

40 翼ふたたび Book